NANO-FILの性能
大幅な性能向上を実現させた
新開発3Dネットワーク構造被膜
NANO-FIL最大の特徴は、初期安定性による被膜へのダメージの軽減と圧倒的な膜厚感を持ちながら作業性の向上など総合的に大幅な性能向上を実現した事と、ガラスでありながら柔軟性を持つという新開発の3Dネットワーク構造被膜にあります。この開発の最大のポイントは、ガラス被膜や被膜硬度といったスペックにこだわるのではなく、コーティングの基本である、塗装を保護し美感を長期間維持するということを追求したことです。その結果としてこれまでにない新しい概念の構造被膜が誕生しました。従来のガラス構造被膜は、均一な立体架橋構造を持った単一的な被膜で、ガラス被膜としての硬度は十分に発揮できますが、柔軟性に欠けており、塗装面への追従性の限界やキズなどのダメージに対する回避能力に劣る部分がありました。それに対して新開発の3Dネットワーク構造被膜は、三次元網目構造のガラス被膜中に均一で直鎖構造を持った強固なつなぎ目が存在することによって、ガラス被膜としての硬度を保ちつつ、優れた柔軟性と塗装面への追従性を実現しました。
これまでの弱点を克服した耐候性
3Dネットワーク構造被膜は強力なエネルギーを持ったシロキサン結合を主骨格に持ち、紫外線の影響を受けず、強固な耐候性を発揮します。これらの性能によって、 酸性雨や樹液、糞害、黄砂、花粉などの外的要因からのダメージを防ぐとともに、スクラッチシールド塗装のような特殊高弾性塗装をはじめ、耐スリ性塗装や水性、粉体塗装など様々な塗装面に対応します。
改良ポイント
01圧倒的な膜厚感はそのままに
作業性を大幅に向上
旧タイプは、その性能を重視するあまり、施工性を犠牲にしている側面がありました。製品をご使用の皆様からも「そこをなんとかしてもらえれば・・・」という声を多くいただいていました。そこでNANO-FILは、高い評価をいただいていた性能面を落とさずに施工性を向上することを大きな目標の一つに掲げ、開発を進めてきました。その結果、原材料から見直したことにより簡単に拭取りが行えるようになりました。また、作業マニュアルの内容も見直しを行い、より効率の良い施工方法を確立しました。
02初期の被膜安定性を向上し、
ダメージを大幅に軽減
従来のガラス被膜コーティングは、空気と反応して被膜が硬化していくという性質上、施工直後の被膜性能が十分でなく、外的要因によるシミなどのダメージを受けやすいという弱点がありました。NANO-FILは、基本的な反応のメカニズムは従来と同様ながら、3Dネットワーク構造被膜という新しい架橋構造によってその弱点を克服しました。特殊なプロセスで精製した高純度シリコーンを採用し、そこに構造被膜を確立する為の添加剤を用いて完全反応する、不純物の一切残らないハイブリッド被膜を形成することで被膜の優れた初期安定性を実現し、シミなどのダメージを最小限に抑えます。
03施工工程の短縮による
コストパフォーマンス向上
旧タイプは、本来1液で施工できる製品でありながら、初期の被膜安定性を補足する目的で、トップコート剤などの犠牲被膜的な上塗り剤を使用する施工方法が圧倒的に多かったのが実情です。NANO-FILは、被膜の初期安定性が格段に向上したことによって、本液のみの1工程で施工が完結できます。また、施工性の向上によって施工時間も従来より短縮されることから、1台当たりのトータルコストがより削減されます。これにより、より多くのプロフェッショナルがユーザーへ自信を持って製品をアプローチすることが可能になりました。
04トータルで向上した
被膜の基本性能
総合的な基本性能で旧タイプと比較し、多くのメリットがあるNANO-FILですが、実際にどの点が異なるのかをわかりやすく比較してみました。
比較項目 | NANO-FIL | 旧タイプ |
---|---|---|
皮膜耐候性 | ||
表面滑水性 | ||
体感膜厚度 | ||
被膜硬度 | ||
物理的耐性 | ||
構造的柔軟性 | ||
被膜透過性 |
各種耐候性試験が優れた性能を実証 -examination-
1043NANO-FILは、製品の開発に当たって、約3年間の様々な実地テストをはじめ、公的機関での各種耐候性テストを行ってきました。製品の優れた性能を実証するデータをご確認下さい。
ここでは多くの中から例として耐酸性試験を取り上げてご案内します。
各種テスト -content-
サンシャインウェザーメーター促進曝露試験
エフイートレード(株)ECHELON NANO-FILが塗布されたテストピースを、サンシャイン促進曝露試験にかけ、曝露試験後のテストピースに対し、接触角,光沢度,色差を調べる。
2.試験方法
テストピースを各試験時間サンシャインウェザーメーター曝露試験にかけ、テストピースの表面状態,接触角,光沢度,色差を測定した。なお、サンシャインウェザーメーター曝露後のテストピースは、以下の処理を行った後に各項目の測定を行った。
【1】テストピースを不織布を用いて水道水でなで洗いした。
【2】引続きカーシャンプーを希釈した洗浄液(※)でなで洗いした。
【3】再度、不織布を用いて水道水でなで洗いし、エアブロー乾燥させた。
※洗浄液は、カーシャンプーをキャップ2.5杯分を水道水2リットルで希釈したもの。
3.試験片
エフイートレード(株)様より提供いただいた試験片(70×150mm)を用いて試験を行った。この試験片は、試験片表面の半分だけコーティング剤で処理したものである。
4.測定器および条件
・サンシャインウェザーメーター;スガ試験機(株)製S80HB ブラックパネル温度63℃,12分降雨/60分
5.試験方法
試験片のコーティング処理部及び未処理部に、硫酸の水溶液をスポイトで0.2ml滴下し水平に短時間(1分),長時間(4時間)放置する。放置後、試験片表面を水洗いしてから拭き取り、表面状態を調べる。
・接触角計;協和界面科学(株)製CA-X型
・光沢度計;スガ試験機(株)製デジタル変角光沢度計UGV-5D
・色差計;コニカミノルタ(株)製分光測色計CM-3700d
試験結果 -1.接触角-
初期 | 250hr | 500hr | 750hr | 1000hr | 1500hr | |
未塗布(黒) | 95.2 | 76.9 | 58.1 | 60.2 | 56 | 62.1 |
塗布(黒) | 100.8 | 91.5 | 87.5 | 59 | 75.3 | 76 |
未塗布(白) | 91.3 | 52.6 | 46.8 | 30.8 | 43.8 | 35.3 |
塗布(白) | 101.3 | 81.1 | 58.7 | 28.1 | 44.6 | 50.6 |
※促進試験300hrで約1年分の促進になります
試験結果 -2.光沢度(60°)-
初期 | 250hr | 500hr | 750hr | 1000hr | 1500hr | |
未塗布(黒) | 93.8 | 91.9 | 97 | 92 | 66.5 | 57.9 |
塗布(黒) | 93.2 | 92 | 92.9 | 99.6 | 76.6 | 58.1 |
未塗布(白) | 89.3 | 28.6 | 13.4 | 14.9 | 12.3 | 7.7 |
塗布(白) | 88.6 | 42.2 | 25.5 | 18.3 | 14.7 | 11 |
試験結果 -3.色差(ΔE*ab)-
初期 | 250hr | 500hr | 750hr | 1000hr | 1500hr | |
未塗布(黒) | 0.04 | 0.25 | 2.35 | 3.65 | 5.02 | 5.21 |
塗布(黒) | 0.26 | 0.28 | 2.19 | 4.2 | 5.36 | 5.68 |
未塗布(白) | 0.11 | 0.39 | 0.29 | 0.37 | 0.41 | 0.61 |
塗布(白) | 0.09 | 0.46 | 0.34 | 0.32 | 0.4 | 0.54 |
試験結果 -4.サンシャイン曝露後の外観観察-
テストピース(白) | テストピース(黒) | |
250hr | カーシャンプー希釈液で洗い始めると洗浄液が白濁した。 降雨の跡は黒に比べて目立たない。光沢が低下している。 未塗装側の低下がやや大きい感じ。 |
降雨の跡が見える。塗装と未塗装の差はない。 |
500hr | カーシャンプー希釈液で洗い始めると洗浄液が白濁した。 塗装側で降雨の跡が確認できる。 見た目は250hrとあまり変わらない。 |
見る角度によって、表面が白っぽく見える。 塗装側にその傾向がやや強めに表れている。 |
750hr | 500hrと同レベル | 表面の白っぽさが増している。未塗装側の方が強く表れている。 |
1000hr | 500hrと同レベル | 降雨の跡は塗装側がはっきりしている。表面の白っぽさは未塗装側で更に増している。 |
1500hr | 降雨の跡がぼける。見た目は500hrと同レベル。 | 1000hrと同レベル |
この記事へのコメントはありません。